学校の勉強は役に立つか?

まるで思春期の少年のような問いについて考えてみたい。この場合、学校とは、小学校と中学校と高校を指す。今回、大学を含めるのはやめておく。

さて、学校の勉強は役に立つか否かであるが、この問いに答えるためには、「役立つ」という言葉に注目する必要がある。「役立つ」という言葉は、一般に、「〇〇の役に立つ」という使い方をする。だから、学校の勉強が役に立つか否かを考えるためには、まず、役立たせる対象が明らかになっていなければならない。だから、もう一度、設問をちゃんとしたものに作り変えるならば、こうなる。学校の勉強は、〇〇の役に立つか?ところで、〇〇にはどんな言葉が入るのだろうか?断っておくが、〇が2個だからといって、文字数が2文字というわけではない。字数制限は無いものとする。
問題に答えるつもりが、問題の数が増えてしまった。僕は、何よりもまず、〇〇に当てはまる言葉を探さなければならないようだ。

1つめの候補は、「金銭を稼ぐこと」である。これは誰でもすぐに思いつきそうな言葉だ。書店にもネットにも、稼ぐのに役立つ情報はあふれているし、稼ぎたい人は多いだろう。では、勉強は、金銭を稼ぐのに役立つだろうか?・・・・・・答えは、イエスである。ただし、大金を稼げるかは分からない。
なぜイエスなのかといえば、答えは簡単である。誰もが実感しているように、日本を含む先進国では、学力試験は重要視されている。国や文化によって重要度に違いはあるが、学力がまったく無視されている国というのは少ないだろう。とりわけ、公務員になるためには、この学力試験が非常に重要だ。国家一種・二種にしても、地方上級・初級にしても、ペーパーテストの内容は、中学や高校で学習したが中心であることが多い。公務員以外でも、有名な企業では、入社のために筆記試験を課すところもあるし、英検やTOEICのスコアが重視されることも多い。英語の語学力や一般教養については言うまでもないが、面接や作文にしても、やはり一般教養と呼ばれる知識が必要とされるだろう。教養には、マナーや立ち居振る舞いのような、学校では教えてくれない事柄も含まれるが、その大半は、学校の教科書に載っていることである。語学に関しては、ある程度の高い水準に到達しようと思うのならば、外国人との自主的な交流や訓練も要求されるが、その基礎となる文法や語彙は、学校で十分に習得できる。
有名企業への就職、公的機関への就職、いずれも大金が稼げるかは定かではないが、そこそこ安定した生活を手に入れることはできる。つまり、金を稼ぐことができる。
このように考えてみると、「金銭を稼ぐこと」のみを目的とした場合に限っても、学校の勉強は、かなり役立つであろうことが想像できる。


2つめの候補は何が良いだろう?どうも話が長くなりそうなので、次回に行うこととしよう。