足元を見るということ

県立図書館で何冊か借りてきた。その中に、『夫婦別姓大論破!』(洋泉社)という本があるのだが、読んでいて驚かされた。驚かされたといっても本の内容にではない。何人前の借主だか知らないが、本の扱いの酷い人がいたらしく、角の折り曲げられたページがいくつも散見され、鉛筆による書き込みも目立った。

書き込みの内容をざっと見た感じでは、どうやら、本の主旨に反対の立場を採る人物の仕業のようだ。本のタイトルが「夫婦別姓大論破!」なのだから、当然、この人物の立場は、夫婦別姓推進派あるいは夫婦同姓反対派ということになる。加えて、自分も夫婦別姓を実践していて、人生がすこぶる快調な人物のようなのだ。

この人物が、なぜに、ページの余白を活用して、自分の身上&信条を語ったのかは分からない。もしかしたら、結婚生活からのストレスを溜め込んでしまっていて、その結果の暴挙なのかもしれない。理由は何であれ、この人物が考えなければならないのは、難しい制度や法律のことではない。

それにしてもマイッタ。この本を返却するのは僕なのだ。司書の人に「借りた本に書き込むとは何事か!」と叱られたらどうしよう。