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厚生労働省:福祉・介護人材確保対策について
40万人が足りない。介護の人材不足は危機的状況に。
masaの介護福祉情報裏板 : なぜ介護の人手不足が解消しないのか? - livedoor Blog(ブログ)
 
 介護福祉系の労働力不足は、有名な話だ。介護福祉のサービスを提供する相手は、言うまでもなく、健常者と比べて身心の弱った人だ。正確な比喩ではないけれど、叩けば治るような昔のアナログな家電製品というよりは、精密なデジタル機器を扱うようなものだ。扱うには、専門的な知識と技能が必要となる。
 言うまでもなく、専門的な知識や技能を習得するには時間とお金がかかる。具体的には、専門学校や大学などで教育を受けたり、実地訓練を受けたりしなければならない。しかも、2年とか3年とかというそれなりに長い時間を費やさなければならない。
 失業者があふれている現状において、介護福祉系で労働力が不足している。世の中には、この現実を指差して、「最近の人間は甘えている」と言い放つような単純な人も少なくないだろう。でも、仕事のための知識や技能を身に付けるためには、それなりのお金と時間が必要である以上、実のところ、本当に追い詰められてしまった人は、介護福祉系の仕事を選択できないという可能性がある。甘える余裕のない人に限って、求人の多い仕事を選択できないとしたら、酷い皮肉だ。
 しかも、この種の仕事は、お金と時間以外に、情熱のような何かが必要とされる。それがなければ、仕事に就くのに必要な知識や技能を習得することはできないし(なにしろ2年〜3年という期間は決して短くない)、就業しても、長くは続けられないだろう。
 とは言っても、何よりもお金は重要だ。生活リズムや食事の栄養バランスを整えるために、お金は欠かせない。生活リズムや栄養バランスが崩れれば、気力が失われたり、仕事のミスが増えたりもするだろう。つまり、お金と時間以外の何か(例えば、情熱)を確保するためには、お金が必要なのだ。ちなみに、時間だって、お金がなければ確保できない。
 書いていて、こんなに当然のことを書いている自分に嫌気がさすが、未来や正義を語る人たちのなかにも、あるいは、社会の不正を糾弾している人たちのなかにも、時折、お金の大切さや衣食住を確保することの大切さを忘れているかのような人がいるので、自分がうっかり忘れてしまうようなことのないように、とりあえず書いてみた。