石橋が鉄橋になってから渡る

 地元の市長選が終わった。保守的な土地柄に珍しく、大阪市に同調的な人物が市長になった。地元の人たちもヤケになっているのかもしれない。渦中の人たちに対して、特に反対も支持もしない。ただ、仮に大変革が成功したとしても、大変革の結果、素晴らしい社会が実現したケースを僕は知らないので、楽観的にはなれない。
 ただ、急進的なアイデアを掲げる彼らに同情する面もある。必要なのは、様々な問題を一挙に解決するような変革を実行することではなく、多様な職種の現場の人たちが、日々痛感している小さな問題を一つずつ地道に解決することだと思うのだが、仮に、彼らがこのような必要性を認識していたとしても、こういった方針を掲げて街宣カーを走らせていたならば、ほとんど支持は得られなかっただろうと思うからだ。
 一発逆転を狙う→金を借りる→さらに一発逆転を狙う→さらに金を・・・・・・という下手なギャンブラーのような破目に陥らないことを願う。



【本】
『劇画 ヒットラー』(水木しげるちくま文庫)
『こんなにスゴイ 最強の自衛隊』(菊池雅之、竹書房)
禁煙ファシズムと断固戦う!』(小谷野敦、ベスト新書)
『軟弱者の言い分』(小谷野敦晶文社)