ホフマン

 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/10/20111027t75015.htm
 こんなニュースを知ってしまうと、バカになったのは「大学生」だけでなく、「大学等の研究者」もなんじゃないかと勘ぐりたくなる。
 僕は、大学生の学力低下というのは、単なる言葉のトリックだと考えている。同じ考えの人は、けっこういると思う。大学生(女性)に、風俗でバイトをする人が増えたという噂も、仮にこれが事実ならば、同じ考え方が当てはまるだろう。つまり、そういった大学生が増えたのではなく、そういった人たちにも大学生という肩書きが与えられるようになったということだ。
 もちろん、初等〜中等教育の在り方とか各家庭の経済状況とか、学力を左右する要因は他にもあるので、そんなに簡単に割り切れるような問題ではないだろう。でも、経営のために入学試験を簡単にすることで入学者数を増やせば、学生の質が低下するのは当然のことだ。工業製品だって、検品をサボったり省略したりすれば、店頭に並べられる不良品の数は増えるだろう。
 それより深刻な問題は、検品を甘くしたり省略したりすれば、その結果として不良品や欠損品が増えるという単純な理屈に、それを指導管理する側の人間が気づいていないということだろう。大学で教鞭をとっている人で、「最近の学生はバカばっかりですなあ」などと言っている(そんな主旨の本や論文を書いている)人がいたとしたら、その単純な理屈を見落としているという意味で、その人もバカの仲間入りだ。幸いなことに、僕の周囲にそんなことを言う人はいない(思い浮かべてはいるかもしれない)。
 風評被害というのは、ドラクエでいうところの一角ウサギくらいの雑魚だと思っていた。少し経験を積めば、誰でも打ち倒せる敵だと信じていたのだが、認識を改めなければならないようだ。歴史研究の研鑽を積んだ達人たちでさえ振り回されるのだから、おそらくサマンオサボストロールくらいの強敵に違いない。「ラーの鏡」がなければ、だまされていることにすら気づけない。現実世界で、この鏡に該当するものって一体何だろうか?