言葉が先か感情が先か

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101015/k10014595131000.html
どんな調査を行ったのかは不明だが、こういった実地?調査は、それを利用する人によって解釈の仕方が違うから面白い。
「自然体験豊富→読書量多い」という理屈は、よく分からない。「自然体験豊富→両親に充分な余暇と所得がある→両親は高学歴→教育熱心→子供の読書量多い」という可能性も考えられるような気がするし、僕としてはこっちの方が納得できる。

それはともかくとして、この記事で一番気になったのは、「自然体験豊富→感情が豊か」という理屈の部分だ。こういった考え方をする人は、少なくないと思う。でも、なぜそのように考えることが出来るのかは、個人的にはよく分からない。人工物よりも自然物を好ましいと思うたぐいの、ある種の自然信仰に過ぎないようにすら思える。
ところで、「感情が豊か」というのはどういうことなんだろうか?例えば、何かに対して怒りを覚えたとき、その怒りをソムリエばりに色々な言葉を使って表現できることだろうか?それとも、喜怒哀楽の切り替わりが激しいことだろうか?後者の場合、単に情緒不安定なだけかもしれないが、どっちにしても分かったような分からないような表現だ。

山や海で育ち、なおかつ素直な少年少女は、可笑しいときに笑い、腹立たしい時には怒るかもしれない。都会で育ち、なおかつ人の顔色を気にする少年少女は、笑いたいときに無表情で、泣きたいときに笑うかもしれない。僕としては、どちらも「感情が豊か」だと思うのだが・・・・・・。
ともかく、簡単には結論の出せない話題のようだ。何しろ感情は、表情や言葉によって表現されなければ、在るということを他人には認識できない。だけど、表情や言葉で表現されたとしても、本当に在るかどうかは少なくとも他人には分からない。

【本】
『のはなし さん』(伊集院光著、宝島社)
『子供が減って何が悪いか!』(赤川学著、ちくま新書)
【DVD】
涼宮ハルヒの憂鬱」:DVDで観たので、自分が一体何話を観たのか把握できていない。でも、これといって困りはしていない。そういえば、『分裂』も『驚愕』(発売したのか?)も読んでない。そろそろ読もうかしらん。
ザ・スピリット」(監督:フランク・ミラー、主演:ガブリエル・マクトほか)