真正フォグランプ

今の家に引っ越してきた時、居間の光源が、蛍光灯ではなく、白熱灯でもなく、ハロゲン電球だったことに唖然とした。ハロゲン電球は、電気を貪り食うモンスターだ。しかも、光源の真下にいる人物に容赦ない熱を浴びせかけてくる。ハロゲンの光の下で作業をしていると、ライトを浴びて保温されているファミチキになってしまったような気分になる。
電気代の浪費と人間としての尊厳を取り戻すべく、引っ越し後間もなく、僕はハロゲンに代わる灯りを求めて暗躍し始めた。というか、ネットで検索し始めた。

画像が悪くて分かりにくいと思うけど、このハロゲン電球は、実に曲者だった。口金は、「GU10」という珍しいタイプ。絶望的なことに、この口金は、蛍光灯や白熱灯には見かけないタイプだということがすぐに判明した。
こうして、僕の「オルタナティブな灯りを求める活動」は、4月中旬から9月末に至るまで休止を余儀なくされた。実家で過ごした2ヶ月を除けば、僕がハロゲン電球を使用したことはほとんどない。新居での夜は、電気スタンド(蛍光灯)のみでやり過ごしてきたのだった。
一週間前、僕は、LEDという存在を忘れていることに気づいた。googleで「GU10」を検索した際、LED電球がヒットした記憶はなかったので、このこともLEDの存在をスルーした理由の一つだと思う。
調べて見ると、楽天でのみ口金「GU10」のLED電球を扱っていることが分かった。価格は、3Wの白色光のものが980円。予想していたより大分安い。LEDってもっと高価だと思ってた。これが本当は4つ必要なのだけど、とりあえず2つ注文した。
それで、たった10分前に注文したブツが届いた。さっそく取り付けてみたら、当然のことだが口金はピッタリ。明るさは、まだ日が落ちてないから正確にはわからないものの、どうやら問題なさそうだ。蛍光灯よりもいっそう白さに磨きのかかった光質は、居間には適切ではなかったかもしれないが、僕の場合、居間は、作業場でもあるので、まあ仕方ないだろう。
長い間頭を悩ませてきた問題が解決し、一安心といったところだが、それにしても分からないのは、前の住人の心理だ。ハロゲン電球には、彼(彼女?)を駆り立てる何かがあったのだろうか?