伝説の伝説

引越しでゴタゴタしていた3月の終わりから4月の頭にかけて、何の気なしに買った「ビックリマンチョコ」。僕が小学生の頃なら30円で買えたものが、80円払わなければ買えなくなっていることに時間と経済の流れを感じた。
昔は、邪魔なおまけでしかなかったチョコ。当時から薄々気づいてはいたのだけど、実際、このチョコ菓子は、かなり美味しい。チョコを食べるのが、ほとんどタスクになってしまっていた当時をちょっとだけ悔やむ。
過去に何度か新シリーズが始まっては終わったことを知ってはいたけど(しかも大して話題になっていなかったはず)、今回のシリーズには、僕が現役だった頃の懐かしいキャラクター達が再登場しているらしい。
さて、久々に買った「ビックリマンチョコ」に入っていたのは、なんと「ヤマト神帝」だった。新シリーズの一枚目に「神帝」の1人が出てきたこと、そして、シール裏面の独特な言い回しの解説文が健在なこと、以上の二つの理由によって、以来、少しずつだけどチョコを買っている。
これは僕の憶測だけど、今回のシリーズは、ビックリマン最盛期への回帰に成功していると思う。回帰がメーカー側の狙いなのかどうかは知らないが、キャラクターのデザインも裏面の解説文の雰囲気も僕が小学生だった頃のビックリマンのそれに戻っているような気がするのだ。
板チョコが90円そこらで買える時代に、80円は割高かもしれないが、それに余りあるプラスアルファが含まれていると思う。
ただし、天使シールとヘッドとの差異が、当時ほど際立っていないことには、少々不満だ。当時、僕達が「ヘッド」と呼んで崇拝(?)していたシールの表面(格子模様でキラキラ光るorホログラム)は、今回のシリーズのヘッドには採用されていないらしく、その代わり、天使シールの表面が、格子模様でキラキラ光るデザインになっている。
天使全般の格が上昇した結果、ヘッドの地位が相対的に下降したという感じだろうか。
公式HPを読む限りでは、今回の物語は、「∀ガンダム」のように、歴史の終わりと始まりとが繋がり合うような設定になっているらしい(だから旧キャラも登場する)。『資本論』の構成もそうなんだけど、どうやら僕は、円環構造に魅かれる性癖を持っているようだ。

【映画】
「弾突」(監督:ロエル・レイネ、主演;スティーブン・セガールほか)。
【本】
『コンプレックス』(河合隼雄著、岩波新書)。