「い」けず

 学会報告のため、偉い先生にコメンテーターをお願いするメールを送った。手紙の書き方辞典とか敬語辞典なんかを必死に参照したり、報告論文の主旨が出来るだけ正確に伝わるよう工夫したり、メールの送信ボタンを押す頃には、精神的にかなり疲れてしまった。
 そのメールへの返事が、さっき届いた。「悪いけど、君と私とではテーマがちょっと違うみたいだから断わる。スマンネ」。それが返事の内容だった。
・・・・・・・・・・・・また、コメンテーターをお願いできるような先生を探さなければならなくなった。主観では、かなりテーマの近い先生だと思っていたし、指導教員も、その先生と僕とのテーマの近さは認めていた。なので、この返答は、かなり意外だった。数少ないテーマの近い研究者の1人だったのに、全く以って「コンチクショウ」だ。
 
 僕の所属する学会では、コメンテーターを報告者本人が決めなければならないことになっている。僕としては、報告当日、誰も聞いてなくても一向に構わないので、はっきりいって迷惑な制度だ。
 自分と同じようなテーマを研究している人を見つけるのは、結構難しい。テーマが(良くも悪くも)独特であればあるほど難易度は上昇する。
 コメンテーターなんぞ立てなくても、報告当日に質疑応答の時間が設けられているのだし、1人や2人は、質問してくれると思う。どうして、こんな制度が出来てしまったのだろうか。不思議だ。

 そんなお断りメールを読んで意気消沈している僕のところに、数分前までペリカン便のスタッフが来ていた。「ブック○フ」に買い取ってもらう本を回収しに来てくれたのだ。おかげ様で部屋のスペースが広がった。これで、荷造りの効率アップだ。

【アニメ】
空の境界」DVD第1巻・第2巻。
けいおん!」DVD第3巻。