「イ」ミテーション

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091229-00000086-yom-soci
 ファンタジーの世界からホビットが消失する日も遠くないのだろうか?良質なファンタジーを提供している出版社の行為であるだけに、ショックだ。商売だから、消費者の声を無視できないのは分かるのだけど、その声が、受け入れるに足る適切な声かどうかを冷静に判断して欲しかった。
 喫煙シーンを本やテレビから削除することによって、それを観る人たちは、喫煙に対する何らかの考えを抱く機会を失う。これは喫煙に限らない。戦争のシーンを削っても、殺人のシーンを削っても、それらについて考える機会も同時に失われる。
 考える習慣を持たない人は、その時どきの風潮に流されるかもしれないし、本能(あるかどうか不明)の命じるままに行動するかもしれない。表現からの影響を恐れて規制した結果、表現に対する抵抗力を持たず、故に、表現に影響され易い人達を生み出してしまう、ということは起こり得る。
 表現規制を好む人たちは、表現の規制が、表現の自由と同様に、諸刃だということを知っておいて損はないと思う。
 
・・・というわけで、日記のタイトルもちょうど「ン」で終わったことですし、今年はここまでにしとうございます。来年は、「あ」からスタート。
 それでは、みなさん良いお年を!


【本】
『美濃牛』(殊能将之著、講談社文庫)
黒い仏』(殊能将之著、講談社文庫)

【映画】
マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」(監督:ザック・ヘルム)
バーン・アフター・リーディング」(監督:イーサン・コーエンジョエル・コーエン)