「ア」ンユジュアリとてちて賢者

 何はともあれ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 年越しソバを食すタイミングが、イマイチつかめないまま、お湯を沸かしている隙に新年がやってきた。お湯を沸かしたために、ソバが熱すぎて、食べるタイミングをいっそう遅らせてしまった。水を沸かせば良かったのだろう。
 論文の修正を進めているはずが、気が付くと、宮沢賢治の「サキノハカといふ黒い花」という書き出しで始まる無題の詩を読んでいて、「サキノハカって何だ?」と疑問に思い、ネットで検索している自分がいた。もちろん、論文は進んでいなかった。
 宮沢賢治は、詩人というよりも1つのジャンルと言っても良いくらいに、いろいろな人が研究している詩人だ。学会やら同好会やらも結構あるらしいことも最近知った。ちなみに声優の桑島○子氏が、宮沢賢治学会から受賞されていて驚いた。そういえば、彼女は岩手の人だった。
 盛んに研究されているだけあって、「サキノハカ」について考察した論文や著作もいくつか見つけた。それに、幸村誠さんの『プラネテス』第2巻にも、この「サキノハカ」は登場するらしい。読んだことのある漫画なのに、どのような使われ方をしていたのか全く思い出せないが。
 孔子は「三十にして立」ったらしいから、僕はまだ座っていて大丈夫かもしれない。「立つ」の意味が違うという話もあるが、そんなふうに、焦る気持ちを抑えつつ、せめて去年くらいから手がけている論文くらいは、ちゃんと完成させてしまいたい。


【本】
『新編 宮沢賢治詩集』(天沢退二郎編、新潮文庫)