「鉄」板設定

 『剣客商売』には、主要人物として男装の美女剣士が登場する。しかも、男言葉でしゃべり、ツンデレでもある。
こんな鉄板萌え設定の人物が、水戸黄門や遠山の金さんのようなお茶の間時代劇に時折登場する。確か、井上靖の自伝的青春小説『夏草冬涛』(『しろばんば』だったかも)にも、さすがに時代設定上剣士は登場しないけれど、ツンでハスッパな少女がヒロインとして登場していたと思う。男装ではなかったけれど。
 最近の萌えは、あまりに多様化かつ細分化していて、とても理解が追いつかないけれど、萌えに分類されるいくつかのキャラ設定のなかには、昔から受け継がれてきた歴史遺産的なものがあるのだろう。
 それにしても、男っぽさやツンデレが、男心を惹きつけるのはなぜなんだろうか?これらの要素が、魅力の源となっている根源的な理由がわからない。これは案外深い研究テーマなのかもしれない。
 人間以外の生物界でも、同性っぽさやツンデレは、一種の魅力として作用しているのだろうか?



【今日の映画】
クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」このタイミングでこの作品を観るのは不謹慎だと思ったのだけど、ついつい観てしまった。左寄り思想の人の頭の中には、少なからずケンとチャコがいる。自戒自戒である。
「スウィニー・トッド」