「い」るのは誰だ?

ちょっと前まで大評判だった歌*1に関して。
「お墓の前でせっかく祈ってるのに『そこに私はいません』って、酷いトリックですよ!」
同じ研究室にいらっしゃる真面目な留学生(クリスチャン)によるお言葉。
 歌詞を見る限りでは、一神教とは相性の悪い内容なのかもしれないが、この歌から「トリック」という言葉を思い浮かべるなんて、素敵な感性の持ち主だ。
 確かに、歌詞にたびたび登場する「私」が、一体どこからお参りに来た人を見ているのかは気になる。それに、風や雨や陽光に宿っている分には風情があるが、実家で飼っている犬や猫、水道水、浴槽のお湯などにも宿っていたら、さすがに親族や友人もしつこくてうんざりするかもしれない。写真に時折顔を覗かせたりしても困るし。


【最近の読書】
『仕事と日本人』(武田晴人著、ちくま新書)
『日本の国宝、最初はこんな色だった』(小林泰三著、光文社新書)