「チ」ルチルとミチルと灰色の鳥

 最近、哲学系や社会科学系の出版物には、“幸福探し”“働く理由探し”“生きがい探し”というようなイワユル「探す」系が多い。この手のテーマの流行というやつは、周期的にやってくるらしい。
 世の中には数え切れない程の文筆家や思想家や研究者がいて、誰が信用に足る人物なのかを見分けるためには天文学的な時間を要する。そんな時、執筆者が信用に足る人かそうでないかを見分ける基準となるのが、その人が、さっき挙げたような「探す」系の文章を書いているか書いていないかということになると思う。
 書いたことのある人は、要注意人物。物事を深く考えることのない、テキトーな人である可能性あり(というのが僕流の見分け方)。もちろん、目次の確認や流し読み程度のことはするけれど、予想通りなことが多い。その人のテキトーさや浅はかさを愛好している場合を別として、探しモノ自体が、実際には存在しないかもしれないのだから、ある意味で、R-70(70歳未満禁止)にしても良いくらいの危険性を秘めている。この系統の本に感化されてしまうような純真な人のことを想像すると胸が痛む(ウソ)。

【今週の映画】
インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」:前から気になっていたんだけど、どうしてインディアナじゃなくてインディなんだろうか?某俳優の主演作品のタイトルに、必ず「沈黙」がつくのと同じ理屈だろうか?