「切」っ先

 映画でも小説でも漫画でも、本当に面白い作品というのは恐ろしい。それを観ることによって、読むことによって、何かが破壊され、何かが生み出されるような感覚を体験させられるからだ。だから、そういった作品を休憩時間に鑑賞することはできない。休憩のつもりが、気がつくと窓の外に朝焼けが・・・!?ということにもなりかねないし、鑑賞後しばらくは何も手につかなくなってしまうかもしれないからだ。
 『シャングリ・ラ』(池上永一著、角川書店)は、そういう作品の1つだと思う。だから僕は、数章読んだところで、この本を「危険図書」目録に加え、部屋の隅っこに封印した。
 今日知ったのだけど、この作品が今度アニメ化されるらしい。既に数ヶ月も前に「ニュータイプ」で公表されていた情報らしい。僕は、この作品が「ニュータイプ」に連載されていたことも知らなかったし、その際のイラストを担当していたのが吉田神氏(「キング・ゲイナー」など)だったということも知らなかった。アニメの方は、村田蓮爾氏(「ラスト・イグザイル」など)がキャラデザを担当するらしい。主人公の操るブーメランが、中空に舞う日が楽しみだ。

【今日の映画】
野獣死すべし』:1980年版。ラスト数シーンの意味がわからなかった。