「コ」ピペ

 こんなニュース記事があった*1。小学生の頃、持久走の次に嫌いだったのが読書感想文や作文だった。現在のように手軽にコピペのできる環境が整っていたなら、僕もやっていたかもしれない。
 文を書くのは書きたいことがあるからであって、書けと言われて書けるものではない。しかも、小学校で文章の書き方を教えてもらった記憶もない。書き方のイロハを知らず、書きたいことも特にない少年少女にとって、作文や感想文は苦痛だろう。よほど早熟でない限り、何らかの問題意識をもった上で文章を書くなんてことは相当に難しいことだ。それでも、僕にはある種の小賢しさがあったので、この苦痛を何とかやり過ごすことができた。
 おそらく、作文や感想文は、子供の小賢しさを養成すること意外には役立っていなかったのではないだろうか?こうして、純粋かつ純朴な愛すべき人間は、真っ白な原稿用紙をぼんやりと見つめたまま、放課後まで教室に残される破目になる。

【今週の読書】
高松正勝原作、鈴木みそ漫画『マンガ 化学式に強くなる』(講談社ブルーバックス):世の中には、イラストを挿入してあるだけのものを「漫画○○入門」などと銘打って出版するものがあるけれど、これは良いです。「モル」や「周期表」で躓いた人にオススメ。
横溝正史『殺人鬼』(角川文庫):ミステリーの王道に回帰してみた。