久しぶり

まさか12月を最後に日記が途絶えているとは思ってもみませんでした。僕の頭の中では何回か更新されていたはずだったのです。「忙しい」という言葉は、世のサラリーマンたちのことを思うと使いたくないのですが、何日間かは通常日程に戻れそうです。これまで着手した原稿を大幅加筆修正して夏までに一本仕上げるのが目下の使命ですが、この原稿のことで今さっき大学で、若手の教官(My masterではない)からダメだしされてきました。今日は不貞寝(ふてね)決定。
 最近、寮の面々とも交流するようになり意外な素顔を垣間見たりもするのですが、社会のマイノリティーが集っているだけあって面倒な問題も頻発します。一癖も二癖もある人間が二人以上顔を合わせることになると、僕のような凡人はただただ当惑するのみです。
【今週の読書】
『46番目の密室』『ダリの繭』『海のある奈良に死す』『朱色の研究』『絶叫城殺人事件』『白い兎が逃げる』『ペルシャ猫の謎』『マレー鉄道の謎』『スイス時計の謎』・・・以上、有栖川有栖作品。
QED 河童伝説』・・・待ち望んでいた高田作品。
刀語 第一話 絶刀・鉋』『刀語 第二話 斬刀・鈍』・・・ライトノベルよりことさらライトなので、西尾入門には適していると思い購入。西尾維新作品。
【今週の映画】
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』:いくつかのレビューでは低い評価をされている。サスペンスとかミステリとして観ると評価が低くなってしまうのも仕方ないのかもしれないし、死刑制度を問う映画として観ても死刑と冤罪という二つの論点がごっちゃになってしまっていてイマイチかもしれない。けれども、デビットという一人の人間の人生を描いた作品として観れば楽しめる映画。
時計じかけのオレンジ』:哲人キューブリックの作品。相変わらず難しい。
アンダーワールド』:『X-MEN』もそうだったけど、アクションとSFと恋愛を絡ませると同じような作品が出来上がる模様。
アンダーワールド・エボリューション』:上に同じ。
『ブロークダウン・パレス』:タイは恐い。『アンダーワールド』1と2とこの作品は、どれもケイト・ベッキンセイルが主演をつとめています。観終わってから気づいた。
フットボール・ファクトリー』:イングランドフーリガンたちの物語。
『オリヴァー・ツイスト』:上の作品とこの作品は、イングランド民衆の身体に染み込んだ伝統とか意識とかを勉強するために観た。イングランド外部の人間や中流以上の暮らしをしている人間にとっては粗野で野蛮に見える彼らですが、そういった偏見をなるべく取り払って見ると、彼らは彼らの正義や彼らの価値観に従って生きているということが見えてきたような気がする。ちなみに、ディケンズの名作の方は、当時の金銭感覚を把握するのには役立ったけれど物語はイマイチ。原作を読むのが面倒な人は、寝転がって見るのにちょうど良いかも。原作者や監督が悪いのではなく、この手のテーマはすでにインフレというのが一番の理由じゃないかと思う。
交響詩篇エウレカセブン』:musicシーンとかいうやつに詳しい人にとってはより楽しめる作品らしい。過去のいろいろな作品を寄木細工した作品。ただし寄木細工ではあるけれどセンス良く寄せてくっつけてある。エヴァのような怨念がこもっているわけではなく、ソフトな仕上がり。エヴァは自我と他我との共生の距離を扱っていたけれど、本作は男と女との共生の距離を扱っているので、自我と他我という問題はオブラートに何重にも包まれてしまいどこかに放り出されています。結果として、テーマが重くならずテンポ良く話しが進みます。キャラに萌えられる人にとっては面白いだろう。