再チャレンジ

安部政権は再チャレンジなるものを推進されているようですね。でも、非正社員の存在は、労働市場の流動化に有効だと考えているようです。
チャレンジ中毒の人には嬉しい法案なのかもしれないけれど、凡人にとっては決してありがたいものではないでしょう。
ある会社の派遣社員を辞めて、次なる会社の派遣社員にチャレンジするなんていう悲喜劇が催されることになる気がします。
 チャレンジというやつにはお金が掛かる。資格試験の費用はもちろんのこと、もっと深刻なのは、職から職へと移行する際の空白期間に掛かるお金でしょう。人間、何もしなくてもお金は必要です。特に、何かにチャレンジするためには、特定のことに集中する必要があり、資格を取得するにしてもバイトをいくつも並行してやるなんて至難の業でしょう。そうなると、再チャレンジに必要な莫大な費用は、どこから出されるのか?という疑問が生じるわけです。国民全員が、日本学生支援機構(旧育英会)から奨学金を借り受けるくらいのことをする必要があるかもですね。無利子で。
この案件に関する資料をざっと見たのですが(光陰の如くざっと見ただけ)、今のところ財源の確保については言及されてないようです。まさか、個人の可処分所得で何とかしろ!なんて暴挙をするつもりではありますまい。
 現行の社会を肯定した上でならば、この案件は悪いものではないでしょう(財源が確保できなければ、元も子もないけれど)。それでも、この案件全体からは、「国民のみなさんが人生に意義を見出せるかどうかなんて知ったこっちゃ御座いませんが、どうかGDPもしくはGNPを上昇させてくださいませ。」という声が、ひっそりと囁かれているような気がしてならない。
【今週の読書】
耳そぎ饅頭」(町田康著):このエッセイだけから推測すると、貧困に喘ぐ町田康と大金を散財する町田康、二人の町田康がいるようだ。
              そんなことはどうでもいいとして、文章のリズムがパンクですね。町田作品を読み始めようと思ってます。
「Onogoro」
「Yamato」
北京原人の日」
「すべての美人は名探偵である」
いろは歌に暗号」
「九つの殺人メルヘン」
「謎解き道中」
以上(鯨統一郎著):相変わらず、この作家の本を読み続けている。ちなみに、「すべての美人は名探偵である」は、以前に紹介した「邪馬台国・・・」と「新・世界の・・・」を読んだあとで、「九つの殺人メルヘン」を読み終えてから手をつけて頂きたい。