「バ」ーチャルバーチャル

 「バーチャル」には、「仮想の、虚像の」という意味の他に「事実上の、実質上の」という意味もある。相反する二つの意味をもつ厄介な言葉だ。
 「事実上の、実質上の」という意味のほうが、この言葉にとって本来の意味で、「仮想の、虚像の」という意味のほうが後になって定着した意味のはずだ。どうしてこんなにもアベコベな結果になったのか、その経緯を調べるのは面白いかもしれない。
 もしかしたら100年後には、「事実上の、実質上の」という意味のほうは忘れ去られてしまっているなんてこともあり得るかもしれないわけで、そう考えると、言葉の意味というのは、かなり不安定に変化していくものなのだろう。
http://www.yokotakeda.com/papers/pap0108.htm
【今日の読書】
『メノン』(プラトン著、藤沢令夫訳、岩波文庫):シェークスピアを読むように、テンポ良く読めた。