「イ」ノベーション

 よく耳にする言葉であり、僕の周囲には、この言葉の意味する現象の正しさを疑わない人が多い(疑っていても、それを態度や言葉に表せない雰囲気があるのかもしれない)。
だけど、創造という出来事は、前例がないからこそ価値があるわけで、その意味では、その創造が良いものか悪いものなのかを事前に判断することができない。もしも判断できるのなら、それは最早イノベーションではない。
 「イノベーションは良いものだ」という意見は、「何だかわからないものは良いものだ」と言い換えることができる。仮に、良い創造のことをイノベーションと呼ぶのだとしても、「良いものは良い」という当然のことを言っているに過ぎないことになる。多分、イノベーションというのは、自慰行為*1なのだ?