「月」に棲む日々

 宇宙世紀の到来は、まだ遠いようだ*1。アルミニウム、チタン、ケイ素など、月には、地球経済にとって不可欠な資源が豊富にあるらしい*2。もしかすると、月面で人が暮らすようになる前に、月は資材として消費し尽されることになるかもしれない。


【今日の読書】
『イエニー・マルクス 「悪魔」を愛した女』(フランソワーズ・ジルー著、幸田礼雅訳、新評論):本書は、カール・マルクスの伝記ではあるけれど、彼の妻イエニー・マルクスに焦点を当てている点が面白い。良くも悪くも自我を貫いた男カール・マルクスの姿が、客観的に、そして、いくらか批判的に書かれている。
 彼が、マルクス家に忠実に使えてくれた女性を孕ませてしまい、しかも親友のエンゲルスに親権を丸投げした事実は、よく知られていることだけど、リオン・フィリップス(マルクスの母方の伯父で、有名企業フィリップス社を創立した一族の一人)の娘とも不適切な関係だったかもしれなかったことは、初めて知った。
 生活能力が欠如しているくせに貴族趣味、女子供に好まれる性質で、自分を批判する人は大嫌い。そんな人間と生涯親友であり続けたエンゲルスは、とてつもなくいい奴だったのだろう。