「ト」ルネコの野望

 ニコラス・ケイジ主演の「ロード・オブ・ウォー」という映画(以前、当ブログでも名前を挙げた)がある。実在した武器商人(死の商人)*1の半生をモデルにした良作だ。
 よくよく考えてみると、ドラクエⅣの世界で真に恐るべき存在は、ピサロでも勇者でもなくトルネコなのかもしれない。世界一の武器商人を目指す彼の手には、後々、莫大な富と武器と流通ルートとが集中することになる。あの人の良さそうな風貌にだまされてはならない。
 なんてことを妄想しつつドラクエⅣをプレイし直すのもオツかもしれない。トルネコの言葉の端々に(ありもしない)陰謀の匂いを感じつつ楽しめることだろう。

【今週の読書】
『人生は愉快だ』(池田晶子毎日新聞社):積読の欠点は、既に持っている本を再度買ってしまうことがあるということだと思う。この本も二冊あることが判明した。この本の第1章は、仏陀からウィトゲンシュタインに至る様々な哲人たちについての著者によるエッセイとなっている。本書で言及されている哲人たちの著書のどれか1つにでも興味関心のある人にとっては、本書の第1章は、それらを読む際の良い方位磁針を提供してくれることと思う。
『中世ヨーロッパの農村の生活』(ジョセフ・ギース/フランシス・ギース著、青島淑子訳、講談社学術文庫):イングランドの1つの村にスポットライトを当て、13世紀ごろの中世の村の実態を描いた本。アニメ版「狼と香辛料」の第一話に登場した村は、狼(魔術)から解放され、技術へ向かおうとする流れの只中にあったが、本書の舞台となる村も同じような時代の流れの中にある。