「君」の望む繁栄

 神田明神への参拝が、例年に比べて盛況だったらしい*1。経済活動の本質は、未来へと働きかけることなので、宗教や呪術と相性が良いのだろう。
 神田明神には、オオナムチノミコト、スクナヒコナノミコト、平将門、三柱の神が祭られている。神社参拝のご利益は、祭られている神の生前受けた災難と真逆のものだとされているらしい。国を奪われた神は、国家繁栄をご利益とし、財産を収奪された神は、商売繁盛をご利益とし、想い人との縁を引き裂かれた神は、縁結びをご利益とする。ご利益から逆算することで、祭られている神の殺された動機を推理することができる。血祭りにすることとお祭りすることは、実は同じことなのかもしれない。
 今日で、某公園の村も解散する。これら一連の運動に対して、ルーザーのために我々の税金や公共施設を使うのは許せないという意見もあるようだけど、長期的に考えるなら、困窮者や弱者を救済する制度が機能することは、大多数の人にとってマイナスにはならない。
 治安の維持と向上、経済の回転速度の維持と向上、将来への安心感・・・・・・etc、直接の利益を得られるとは限らないけれど、損にはならない。それに、どうせ手元を離れてしまった金なのだから、料亭や旅行会社や土建屋のために使われてしまうよりは、長期的で間接的ではあるものの、自分達の利益へとつながるもののために使われた方が不快感は少ないだろう。明日はわが身でもあるし。

【昨日のアニメ】
狼と香辛料」:やっと最初の数話を観た。アニメ版「蟲師」のように、落ち着いた雰囲気の作品に仕上がっていると思う。原作を読んでいないのではっきりとは言えないが、作者は、西洋社会史(中世〜近世)を勉強したことのある人のような気がした。