誰かの所為

 近い将来、年間取得可能単位数に上限が設けられるかもしれないそうだ(現在検討中らしい)。しっかりとした講義にしっかりした大学教員、充実したシラバスと隙間のない年間スケジュール。こうして、中学や高校に続いて大学もつまらない場所になっていくのかもしれない。
 「ウチの僕ちゃんが就職できなかったのは大学の努力不足の所為ザマス!」「自分が勉強できないのは教員の所為だ!」「自分の人生が失敗続きなのは大学の所為だ!」そんな自称被害者たちのシュプレヒコールが聞こえてくるかのようだ。
 「俺は俺の鉄の意志と責任のもとで、単位そっちのけで遊ぶ!」というある意味で清々しい気高さのようなものが失われつつあるのだろうか?それとも、他人に管理されるのが大好きなマゾ的性向の人が増えたのだろうか?
 一番大きな要因は、こういう精神的な変化ではなくて、家計における学費の負担が相対的に増大したということ、大卒が就職のための重要な条件となったために、大学に進学せざるを得ない状況に追い込まれた人が相対的に増加したこと、これらのことが絡み合った結果なのだろう。
 なんにしても、ゼミに「スネちゃま」的な学生が増えたらイヤだなあ*1

*1:聞いた話では、「私は講義に無遅刻無欠席だったし、ノートもこんなに真面目にとっていた(と言いつつ、丁寧かつ詳細に記録されたノートを教員に見せる)、なのに単位がもらえないのはおかしいじゃないか!」と抗議に来た学生がいたらしい。単位を落とした理由は、テストの出来があまりにひどかったからなんだそうな。