「プ」レ

 今日、大学構内で意外な人物に遇った。Y君だ。会社もY君も今がまさに正念場なのだろう。潰されないよう適度にがんばってほしい。
 昨日は、休学中で実家に帰っていた研究室の友人が一時来札した。それで、研究室のメンバーで駅の方に飲み食いに行った。院生が集まれば、大抵は愚痴の言い合いになるわけで、今回の議題は、ジャーナルへの投稿システムに関してだった。
 学会誌への投稿は、未だに郵送だ。しかも、論文の印刷したもの+論文データを入れたフロッピーを大きな封筒に入れて送る決まりになっている。宛先は、その時どきによって変わる。審査委員のリーダー格が在籍する大学が投稿の宛先になるのだけど、審査委員(通称:委員会の奴ら)のメンバーは、定期的に変更されるので、当然、宛先も南は九州から北は北海道まで、投稿する時期によって様々ということになる。
 北海道に住んでいる人間が、九州に郵送する場合は最悪で、締め切りより2、3日前には郵便局窓口に出さなければならない。しかも、投稿の際には、念には念を入れて速達にすることが多い。
 審査委員のメンバーたちは、各々の在籍する大学で仕事をしているわけで、委員会に郵送されてきた論文は、おそらく委員会の手で、全国のメンバーたちに郵送されることになるのだと思う。二度手間三度手間だ。
 メールに添付して投稿できるようにすれば、郵送料や郵送の際の手間も省くことができるし、郵送されてきたものを再度郵送するなんていう珍妙な現象を無くすこともできる。このような細かなコストの削減は、学会費の削減にも貢献するかもしれない。フロッピーのドライブ自体が絶滅に瀕している昨今、投稿のオンライン化は、とても有意義なことだと思う。
 以前、IT革命みたいなことが叫ばれていた頃、その後の、web2.0時代みたいなことがささやかれていた頃、ネットが、明るく素晴らしい未来を約束する云々のようなことが言われていた。左翼系の人たちの中には、オンラインが、新しい協働社会を実現する云々のようなことを主張している人もいた。
 そういった主張以前に、とりあえず身近なこと、つまり、投稿のオンライン化実現を試みて欲しかったし、今も出来ることなら実現させて欲しいと思っている。
 それにしても、身近なことにすらネットを有効利用できていないのに、それを社会とか世界とかの改良に利用するなんてこと本当にできるつもりだったのだろうか?
 ・・・・・・などという不謹慎な話を僕以外の人たちが話していた。ちなみに僕は、長いものには巻かれる覚悟が完了しているので、現状には何ら文句ありません。