「史」観変更

 最近、ネットの調子が悪い。何と言うか、読み込む速度が異様に落ちた。僕のパソコンに問題があるのかと思っていたら、LANケーブルでつながり合ったメンバー全員、ネットに不具合を感じているということが判明した。
 それはそれとして、大抵の人は、中学の歴史の授業でも、高校の世界史や日本史の授業でも、人類が農耕を開始すると、貧富の差や身分の上下が発生する、という説を習ったと思う。
 肉や植物の種子と違って、穀物は長期保存できるので、財の所有量に差が生じるという点は納得できる。だけど、それと同時に、身分の上下が発生するという点には、昔から、納得できなかった。中学生の頃や高校生の頃は、この納得できない気分をどんな言葉で表現すれば良いのか分からなかったけれど、今の僕の言葉で言うならば、財の多少を身分の上下に直結するのって、ちょっと経済決定論過ぎるんじゃないか?ということだ。
 身分なんて言うと大げさかもしれないけれど、人望の差みたいなものならば、狩猟採集を主としていた時代にだって発生するかもしれない。
 例えば、マンモス狩りの司令塔として有能なヤツ、ヤリの使い方に長けたヤツ、罠を仕掛けさせたらピカイチなヤツ、そんな人たちには、おそらく人望が集まっただろう。それに対して、いつも狩りのチームに追いつけない鈍足なヤツ、ヤリを投げたら仲間に刺さってしまう運痴なヤツ、他人を危険に巻き込むウッカリなヤツ、そんな人たちからは人心が離れていったことだろう。
 身分とは違うかもしれないけれど、リーダー的な存在として扱われる人間とお荷物的な存在として扱われる人間という差ならば、狩猟採集の時代にだって発生して不思議じゃないと思う。財の多少以外にも、地位の差の原因になりそうな要素は、考えれば他にも見つかりそうな気がする。
 百歩譲って、身分の明確な上下の区分が、農耕をキッカケに発生するものだったとしても、身分の上下に結実するような要因は、農耕以前から複数あったのだと考えた方が、流れとしては自然だと個人的には思う。
 

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