「犬」は歩いてしまい、棒に当ってしまう

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/201677.html

 この行進を知らせる張り紙を、僕は構内で何度か見ている。中指を立てた某ネズミのイラストが描いてある、過激な文言のポスターだったと記憶している。
 何か行動を起すのは、その行動が、誰かを傷つけるものでない限り、何をやっても良いと思うし、ボタモチが棚から降ってくることだってあるかもしれない。
 だけど、やっぱり残念さは残る。就活の長期化と寒冷化は、企業や経営者の意思によって引き起こされたものではない。そんな企業や経営者がいるとしたら、景気循環は、人為的に操作可能ということになってしまう。就職しようとするならば、就活がどれほど過酷でも、課されたルールに従うしかない。これは、実にやりきれないことではあるけれど、誰かの悪意によって生み出された現象ではない。悪意の存在しない悪事というのが、問題の本質にある。この点を理解した上での行進ではなかったようだ。
 「既卒を差別するな!」という主張に限っては、雇用の仕組みを変更することのメリットを示すことで、または、人権を盾にすることで、企業や国に訴える意義を周囲の人たちに対して示すことのできる主張だとは思うけれど、景気そのものに由来するであろう問題は、今のところ、プラカードを持って行進しても、ミスター景気氏以外にとっては、手の打ちようのないものだろう。



【今日のドラマ】
「相棒」season7-5