「た」かさき

 M市に住んでいた僕にとって、近くて遠い街だった。だからこんなニュース*1は全く知らなかった。
大学という機関には二つの顔があると思う。
1、研究機関としての顔(学問追究に貢献する人材の育成)
2、将来保障機関としての顔(経済活動に貢献する人材の育成)
大学教員にとって大学は、1を本質とするのかもしれないし、学生や大学事務や企業にとって大学は、2を本質とするのかもしれない。
 教員が1の面を重視すれば、学生にとっては迷惑かつ厳しい教員ということになるかもしれない。課題の採点を甘くすることもないだろうし、単位も易々と認めはしないだろう。上の記事にある「強圧的指導」の原因は、教員の人格に由来する部分が多かったらしいけれど*2、大学の1の面を重視する教員は、結果的に、「強圧的指導」をしたと見なされることになる場合があるかもしれない。逆に、教員が2の面を重視すれば、大半の学生にとっては優しい教員、話のわかる教員、ということになるのだろう。
 どちらが望ましいのかは、断言できない。職業と学歴とが完全に切り離された世の中がやってきたならば、大学の抱えるこのような矛盾は解消するのかもしれない。当面は、世の中のグレーゾーン(あいまいさ)にそれなりに対処できるようないい加減さが必要なのだろう。
 先日、院の先輩二人が見事に大学の職(常任講師)をゲットしたので、そのお祝いを行った。何十もの大学の公募に申し込んでいたそうで、「自分でもどうして採用されたのかわからない」と言っていた。それと、不採用になった大学に対しては「どうして落とされたのかわからない」とも言っていた。ただし、研究内容よりもベシャリが上手であることが要求されるのは確かなようだ。だから、模擬授業の上手下手が重要らしい。ちなみに、担当する講義は、自分の研究とは無関係ではないまでも縁遠い場合もあるらしい。つまり、一般の企業と同じで?、多機能な人材(潰しのきく人材)が求められるということらしい。どうやら研究者も大学の二重性に苦しまなければならないようだ、ということを今さらながら自覚した。

【今日のアニメ】
バンブーブレード」:まだ最初の数話しか観ていないけど、キャラ設定が上手な作品だと思った。