「ル」カニ

 四日前、予約しておいた本が届いたということなので、大学生協に本を受け取りに。
年末キャンペーンということで、会計を済ませた後にくじ引きをした(正方形の紙が▲に折られているやつ)。
ペリっと開いてみると、そこには「二等」とあり、レジのおばさんたちが「おめでとうございます」と口々に祝福してくれた。二等は、千円分の書籍利用券。
 利用券には有効期限があり、来年の二月末までに使ってしまわないと紙切れになってしまう。
年末から春にかけては何かとイベントのある時季なので、出来るだけ早いうちに使ってしまおうと思い、昨日さっそく大学生協で新書二冊を購入。もちろん、千円分の書籍利用券を使わせてもらった。
今回も会計を済ませると「くじを一枚どうぞ」と言われたので、一枚引いた。
ペリっと開いてみると、そこには「特賞」の文字が。
どよめくレジ周辺。「千円当てたのに、特賞まで・・・!?」とレジのおばさん。僕はちょっとした時の人。
特賞は、五千円分の書籍利用券。
気恥ずかしさと嬉しさと照れくささと。
 浮ついた気持ちで帰路についたのだけど、時間が経って冷静になってくると、「もしかすると大切な何かを使い果たしてしまったのでは?」と不安になってきた。
質量保存の法則ではないけれど、こういう何でも無いことに幸運を使ってしまった結果、ここぞという時に奇跡が起きなくなってしまう。僕は今、無防備なのではないか?
・・・・・・そんなどうしようもないことを考えながら寮の自室に戻った。
五千円は、近日中に書籍二冊へと姿を変える予定。

【今週のドラマ】
富豪刑事』第一巻〜第五巻:食事中にはちょうど良い作品。『時効警察』といい『相棒』といい、最近、朝日テレビの刑事モノの調子が良いような気がする。しかも、どの作品も主人公たちは、組織の隅っこに置かれた人たちだ。